著者:mikimiki
情報確認日:2026年10月7日

AI画像編集で商品や人物を維持するには、変更する場所と、維持する要素を分けて指定し、修正後に元画像と照合することが出発点です。モデルの性能だけに任せず、商品・背景・文字を分けて管理すると、広告のサイズ展開も確認しやすくなります。

Googleは10月6日にNano Banana 2.1をGemini APIで一般提供しました。Ideogram 4.5は繰り返し編集での細部の維持を訴求し、Recraftは10月3日に広告の複数サイズ・複数市場への展開方法を公開しています。本記事では、これらの新しい情報と、Adobeで確認すべきモデル変更を実務の手順に結び付けます。

この記事の比較は公式の機能・提供情報を整理したものです。生成テストは実施しておらず、速度・画質・保持性能の順位を付けるものではありません。実践編は、読者が自分の素材で確かめるためのテスト案です。

この記事で分かること

  • Nano Banana 2.1・Ideogram 4.5で確認できた更新内容
  • 商品や人物の形・色を保つための比較方法
  • 広告を複数サイズへ展開するときの手順とモデル移行の注意点

今週の注目点とツール比較

注目点は「変更した箇所の品質」と「変更しない箇所の維持」を、別々に評価することです。たとえば背景の仕上がりが良くても、商品ラベルが変われば広告素材として再調整が必要です。

対象公式に確認できたこと制作で確かめること新旧・提供上の区別
Nano Banana 2.1画質・指示追従・連続編集時の一貫性などの改善をGoogleが案内横長化したときの商品形状、色、コピー用の余白10月6日、Gemini APIで一般提供
Ideogram 4.5繰り返し編集での色・質感・ピクセルのズレを抑える設計を訴求数回の修正後も、対象外の輪郭や質感が維持されるか公式モデルページあり。Recraftの10月1日記事は導入予定の案内
Recraftの広告展開ガイドマスターを作り、ブランド要素と編集可能な文字を管理する手順複数サイズでも商品・ロゴ・コピーが同じ意図で伝わるか10月3日公開の制作ガイド。新モデルの発表ではない
Photoshop生成塗りつぶしでAdobe製・パートナーモデルを選択選択範囲、合成境界、文字組み、書き出し寸法9月28日更新のヘルプを確認。今週すべてが新登場したわけではない

参照:Google更新履歴、Ideogram 4.5、Recraft広告展開ガイド、Photoshop公式ヘルプ。

Nano Banana 2.1:横長画像とモデル移行

Googleの10月6日付更新履歴では、gemini-nano-banana-2.1の一般提供を確認できます。Nano Banana 2の更新版として、画質、指示への追従、編集を重ねたときのキャラクターの一貫性、文字表現などの改善が案内されています。これらはメーカーの説明であり、本記事での実測評価ではありません。

公式モデルページには1K・2K・4K出力と、細長い縦横比での改善が記載されています。商品画像を横長バナーにする案件なら、画面を埋めるだけでなく、商品を維持したままコピーを置く余白を確保できるかが確認ポイントです。出典:Nano Banana 2.1モデル情報。

比率は幅:高さです。8:1は横長、1:8は縦長。728×90は約8.09:1なので、8:1で生成した画像は最終入稿寸法へ調整する必要があります。生成時の比率と納品サイズを分けて記録しましょう。

API利用者はモデル名も確認してください。GoogleはNano Banana 2のgemini-3.1-flash-imageについて10月29日の停止を案内し、2.1への移行を推奨しています。停止予定は変更される可能性があるため、運用では最新の更新履歴と廃止予定表を確認します。出典:Google更新履歴、廃止予定表。

なお、同表で旧gemini-2.5-flash-imageの停止日として記載されているのは2027年3月15日です。Adobe側の旧モデル削除案内と、Google API全体の提供終了は同じものとして扱えません。

Ideogram 4.5:連続編集で何を確認するか

Ideogram 4.5の公式ページは、編集を重ねたときの色、質感、ピクセルのズレを抑える点を強調しています。また、4,016×6,016ピクセル、約24.2MPの元画像について、領域を切り出して編集し、元画像へ戻す例を掲載しています。出典:Ideogram 4.5。

ここで分けたいのは、高解像度の元画像を扱う編集例と、その解像度の画像を一から生成できるという主張です。公式の部分編集例だけを根拠に、24.2MPの新規生成を保証する説明にはできません。

実務で比較するなら、背景色だけ、光だけ、小物だけと変更を分け、毎回、元画像も横に置きます。編集箇所が良くなったかに加え、商品サイズ、顔、輪郭、ラベル、影が意図せず動いていないかを確認します。照明変更では見かけの色や影も変わるため、変更前に許容範囲を決めておく必要があります。

Recraftの10月1日の記事は、Ideogram 4.5がRecraft Studioへ導入予定とする案内でした。この告知だけで利用開始済みとは判断できません。使う予定のサービスで、実際のモデル選択欄と提供条件を確認してください。出典:Recraftの導入予告。

Recraft:マスター広告をサイズ展開する

Recraftの10月3日のガイドは、広告の基準データを作り、ブランドを担う要素を維持しながら、媒体や言語に応じて展開する手順を紹介しています。文字を画像へ焼き込まず、編集できる状態にする点も重要です。出典:Recraft公式ガイド。

これを制作手順に落とし込むなら、次のように進められます。

  1. 4:5の基準案を決める。商品、コピーの優先順位、ロゴ、配色を確認する。
  2. 画像と文字を分ける。商品・背景・ロゴ・コピー・CTAを、後から調整できる構造にする。
  3. 背景を必要な方向へ拡張する。1:1、9:16、16:9など、実際に使う掲載枠だけを作る。
  4. 文字組みと配置を調整する。商品を切らず、視線の流れと余白を各サイズで作り直す。
  5. 原寸で確認する。小さな文字、画面端、UIと重なる場所、書き出し寸法を点検する。

旧記事で整理した用途の目安は、16:9がWeb・広告バナー、1:1がSNS投稿、4:5がInstagramフィード、9:16がStories・縦型広告です。実際の掲載面の指定寸法とセーフエリアは、入稿前に個別に確認してください。

固定するのは、全サイズで同じピクセル座標ではありません。商品やロゴの形、ブランド色、訴求内容などを守り、配置や改行は掲載枠に合わせます。セーフエリアも媒体・掲載面ごとに異なるため、一律の余白数値をすべてへ流用しないようにします。

Photoshop:編集の仕上げとモデル選択

Photoshopの9月28日更新ヘルプには、生成塗りつぶしでFireflyなどのAdobeモデルに加え、FLUX.2 pro、FLUX Kontext pro、Gemini 3.1(Nano Banana 2)、Gemini 3(Nano Banana Pro)を選べると記載されています。出典:Photoshop公式ヘルプ。

同ページは旧Gemini 2.5について、9月10日および9月版以降からサポートを削除し始める旨を案内しています。Google APIで2.1が公開されたからといって、同日にPhotoshopのモデル選択欄も2.1へ切り替わったとは断定できません。アプリ名、バージョン、選択モデル、確認日をセットで残しましょう。

広告の最終工程では、生成した背景と商品を合成し、文字は編集可能な状態で校正します。特に価格、商品名、注意書きは、読めるように見えるだけでなく原稿と一致するかを確認します。デザインの仕上げには、既存のPhotoshopやFigmaなど、チームが管理しやすい環境を使う方法が考えられます。

Midjourneyの編集機能は、既存の比較候補として扱う

Midjourneyは8月27日、V8.2の画像編集モデルのテスト開始を案内しました。最大4枚の参照画像、部分編集、キャンバス拡張などを挙げています。これは今週の新機能ではありません。既に使っている場合は、同じ素材を用いた比較候補に含め、変更対象以外への影響を見ます。出典:Midjourney「Edit Model for V8」。

同じ条件で比較する実践テスト

以下は未実施のテスト案です。まずは使用許可のある商品画像一枚で、小さく始められます。全モデル・全サイズを一度に試す必要はありません。

テスト1:背景だけを変更する

固定:元画像、出力寸法、商品、カメラ位置、コピー原稿。
変更:背景色のみ。
確認:商品の輪郭、ラベル、配置。モデル比較を行う場合は、元画像と指示文を同じにし、各モデルの設定差も記録します。

指示例:「背景の壁だけを淡い青にしてください。商品本体の輪郭、ラベル、位置は維持してください。新しい文字や小物は加えないでください。」

テスト2:五段階の連続編集を行う

固定:商品本体と構図。
変更:①背景色、②背景の照明、③小物の追加、④追加した小物の位置、⑤背景の質感。
確認:各段階を初期画像と比較し、変更対象外のズレを記録します。光が商品へ当たる指示をする場合は、色や影の変化を許す範囲を先に決めます。

人物で試す場合は、本人の許可がある素材を用い、商品の代わりに顔や髪形を確認します。衣服の変更を含める場合は、服まで固定対象にしないなど、指示の矛盾を避けます。

テスト3:広告を三つのサイズへ展開する

固定:承認済みの商品素材、ロゴ、コピー内容、ブランド色。
変更:4:5の基準案を、1:1・9:16・16:9へ展開。必要な案件だけ8:1も追加。
確認:商品が欠けないか、文字用の余白があるか、意図した順番で読めるか。文字は別レイヤーで仕上げます。

ラフ案を比較して、採用案だけを仕上げる

構図の検討では、同じ商品・コピーで人物と商品の左右、商品の大きさ、余白の量などを変えたラフを比較する方法も使えます。たとえば予算内で最大20案を作り、採用候補だけを部分修正・高品質化・文字組みへ進めます。枚数を増やすことを目的にせず、通常のラフ制作と比べた所要時間と手戻りを記録してください。特定モデルでの速度や費用の優位性を示す実測結果ではありません。

結果は「採用できるまで」で記録する

記録項目残しておく内容
条件サービス名、モデル名、日付、参照画像、指示文、寸法、設定
維持したい要素形・顔・色・配置・ラベルのうち、今回守るものと許容範囲
意図しない変更箇所と内容。元画像・出力画像を並べて保存
手戻り再生成回数、手修正の時間、最終的な採用・不採用
費用実際に消費したクレジットや利用料金。プラン差を分けて記録

一回の成功だけでは安定性は分かりません。最初の小さなテストで用途に合いそうなら、予算を決めて追加確認します。今回の結果を、他の商品や別の画角にもそのまま当てはめないことが大切です。

商用案件の素材・利用条件チェック

案件のチェック項目として、参照画像の使用許可、人物・ロゴの扱い、利用プラン、生成物の公開範囲、納品先が求めるAI利用の記録を残します。AdobeはパートナーモデルをAdobeが開発したものとは区別し、プロジェクトに適切かは利用者が判断するよう案内しています。Adobe製モデルとパートナーモデルの条件や補償範囲を一括りにせず、契約・利用条件を個別に確認してください。出典:Adobeのパートナーモデル案内。

旧記事のチェック項目も引き続き確認します。実在人物・著名人に似た人物、既存キャラクター、ブランドロゴや商品、既存広告・作品の過度な模倣、権利未確認の参照画像、Stock素材のライセンスを点検し、使用モデル・参照素材・人物素材・Stock・ロゴ・最終編集の記録を残してください。商用利用が認められたツールでも、入力素材や生成物の第三者の権利まで自動的に確認されるわけではありません。

Googleの画像生成ガイドは生成画像へのSynthID付与を案内しています。これは来歴に関する仕組みであり、素材の使用許可を確認する作業の代わりにはなりません。出典:Google画像生成ガイド。

よくある質問

Q1. 商品や人物を完全に同じまま編集できますか?

公式の保持性能の説明だけで、すべての素材や指示で完全に維持されるとは言えません。変更対象を限定し、元画像と照合してください。厳密な形状や表示が必要な商品は、元の商品素材を別レイヤーで残す方法も検討できます。

Q2. Nano Banana 2.1をPhotoshopですぐ選べますか?

今回確認したPhotoshopヘルプにはNano Banana 2とNano Banana Proが記載されています。Gemini APIの2.1公開と、Photoshopでの提供開始は別に確認が必要です。

Q3. Ideogram 4.5の24.2MPは、新規生成の最大解像度ですか?

公式ページの24.2MPは、部分編集例の元画像の大きさです。その例から、新規生成の最大解像度を判断することはできません。

Q4. 文字もAIに作ってもらえば、そのまま入稿できますか?

広告では原稿との照合が必要です。商品名・価格・注意書きなどは、編集できる文字レイヤーで管理し、最終サイズで確認する方法が実務的です。

Q5. どのモデルが一番おすすめですか?

今回は実測の順位を付けていません。同じ素材と変更内容で、意図しない変更、再生成回数、手修正時間、実費を比べると、自分の案件に合う候補を絞れます。

Q6. 旧Nano Bananaは10月2日で全部終了したのですか?

一括りにはできません。Adobeには旧モデルの削除案内がありますが、Googleの廃止予定表でgemini-2.5-flash-imageの停止日として記載されているのは2027年3月15日です。利用サービスとAPIのモデルIDを分けて確認してください。

まとめ:変更後に、残したい部分を確認する

今週のAI画像編集で押さえたいのは、Nano Banana 2.1の公開、Ideogram 4.5の連続編集への注力、Recraftのマスター広告の考え方です。Photoshop側のモデル選択や旧モデルの扱いも、制作環境ごとに確認が必要です。

次の案件では、まず一枚について「変える場所」と「残す形・色・文字」を書き出してみてください。生成結果を見比べるときの基準が明確になります。

出典・関連記事

関連記事:2026年9月のAI画像編集ツール比較。掲載当時の情報のため、モデル名や提供条件は本記事の出典とあわせて確認してください。

この記事の執筆mikimiki
情報確認2026年10月7日。公式資料による整理。実機比較・性能ランキングは未実施。

執筆:mikimiki