今や世界の大都市「東京」。でもその昔、ここは“江戸(えど)”という名の町でした。
そして1868年、江戸は「東京(とうきょう)」という新しい名前に生まれ変わります。
この改名のきっかけとなった旧暦の日付=1868年7月17日が、「東京の日」として記念日に制定されているのです。
──でもなぜ、江戸を東京と呼ぶようになったのでしょうか?
■ 江戸→東京へ。名前が変わっただけじゃなかった
1868年は、ちょうど明治時代が始まった年。
それまで260年続いた江戸幕府が終わり、新しくできた「明治政府」は、日本を一から作り直そうとしていました。
その中で、将軍の町だった「江戸」は、
“日本の新しい首都”として生まれ変わることになります。
ただ名前を変えただけではなく、「江戸の役割」を大きく変えようとしていたのです。
■ 「東京」ってどういう意味?
「東京」という名前は、“東の京都”という意味があります。
当時、天皇が住んでいた「京都(きょうと)」は、日本の本当の都(みやこ)でした。
明治政府は「東にある新しい都」として、江戸を“東京”と名付けたのです。
そこには、「これからの時代はここから始まる」という新しい国づくりへのメッセージが込められていました。
■ 実は…「東京」という名前、最初は反対もあった!
当時の人たちの中には、
- 「京都が本当の都なんじゃないの?」
- 「東京なんて名前、なんか変じゃない?」
という反対意見も多くあったそうです。
でも明治天皇が京都から東京へ移り住んだことで、
「天皇がいる場所が都」という考え方が全国に広まり、
東京は名実ともに“首都”として認められていきました。
■ 📚 歴史的エビデンス
- 1868年7月17日(旧暦):江戸を「東京」と改称(明治政府の布告)
- 新暦では1868年9月3日に相当
- 出典:太政官日誌(国立国会図書館)
- 出典:東京大学史料編纂所『大日本近世史料』
こうした歴史的文書にも、東京の誕生がしっかり記録されています。
■ まとめ:「東京の日」は、ただの地名記念日じゃない
2025年の今、世界に誇る東京という都市。
でも、その出発点は武士の町「江戸」でした。
そして1868年7月17日(旧暦)、江戸が「東京」へと変わり、
日本の新しい時代が動き出したのです。
毎年訪れる「東京の日」。
ぜひ、東京という名前に込められた“未来への願い”を、少しだけ思い出してみてくださいね。